さて、定期借地をどう利用するか。

イッ ツァ サイレン ナァ〜ィicon23
虫の声は涼しげで耳に心地よく響いてきますが、
クルマに轢かれたヘビを目撃し“お腹を上に向けてまるでタコの足のようにくねくねと動き回ってた”と話してくれた友人が「まるでタコの足のように」をやたら連呼していて、そのフレーズが頭から離れないマーティン・タナカでっす。



えぇ〜っと、かなり長くなってしまっていますが、定期借地権のお話・・・その続きです。


前回は、定期借地がどういったものなのか、その概略をお話ししました。

50年以上の一定期間(定期)、土地を借りる(借地)契約をし、その間は所有しているのと同じように土地を利用できる というもので、定期借地権とはつまりその期間に土地を利用する権利のことと言えます。

土地を居住用に利用するという意味においては、所有も定期借地もほとんど変わらず、ライフスタイルや家族構成の変化に応じた増改築ももちろん可能です。
また、定期借地権付き建物として、住宅を貸したり売ったりすることもできます。


これらは借りる側から定期借地を捉えた説明ですが、今回は具体的に定期借地権を利用した家づくりのメリット定期借地利用の実例についてご紹介してみましょう。



***定期借地を利用した家づくりのメリット***

土地所有に比べて、圧倒的に少ない資金負担で家づくりができるということが最大のメリットです。
それは、例えば家づくりの総予算を低く抑え、しかも通常より広い土地を手にすることに繋がったり、あるいはその後の生活のゆとりに生かされたり と様々です。

そのメリットをどう生かすかを、住宅資金のスケールによってケーススタディしてみましょう。

□資金にあまり余裕がない方は・・・
家づくりの総コストが大幅に少なくなるため、持ち家は無理 と諦めていたものが実現可能になります。
特にそれまで便のいい場所にアパート暮らしをしていた場合など、近くに土地を探そうと思うと、便利な場所ゆえに地価が高くて手が出せない。
けれどお子さんの学校のこと(転校や通学のこと)など考えると、遠く離れた郊外にというわけにもいかず・・・とお悩みの方は多いですね。
定期借地を利用して、機能的でコンパクトな家をつくれば、住宅ローンと土地代を合わせても、それまで支払っていたアパートの家賃と同等かそれ以下の資金負担でご自分の家を持つことも可能になります。

□資金に少し余裕がある方は・・・
土地を購入することもできなくはないけれど、資金的に考えて家の規模を小さくしたり、仕様を落としたりしなければならなかったり、その後の生活を切り詰めなきゃ と躊躇していた方。。。
土地にかかるコストが軽減された分を建物の充実(広く大きな家、欲しかった仕様、希望の設備機器など)に使ったり、その後の生活資金やお子さんの教育費、将来に向けた蓄えなどに回すことができるので、家を持ったあとでも生活にゆとりを持つことができます。
自分の家を持ちながら、精神的にも経済的にもゆとりを手にすることができる・・・定期借地の上手な活用ですね。

□資金に充分余裕がある人は・・・
人気の地区(地価が高い場所)に余裕の広さを確保し、自分らしいゆとりのあるライフスタイルを実現することができます。
実はこのように定借を使用している方が意外と多いのです。
資金がないから借りるのではなく、資金を生かすために借りるということ。
手持ちの資産(現預金等)を土地に投下して固定化してしまうのではなく、自らと家族の豊かな人生のために生かしていくという考え方ですね。
当初は、定期借地そのものの理解やそれをどう自分の生活に生かすことができるか といった点にいち早く気づいたいわゆる知識層の方たちが、定借を利用するケースが多かったと言われています。


また、定期借地を利用した家づくりは、家単体として捉えるだけでなく、街づくり・地域づくりとしての観点からも大きなメリットがありますが、それはまた別の機会にお話ししたいと思います。



***定期借地利用の実例として***

これまでも何度かお話ししてきたと思いますが、マーティンは実家と長野市にそれぞれ家がありますが、どちらも定期借地を利用しています。
家は2軒あるんですが、土地は1坪も持っていないんです。

しかし定期借地を使ったその2軒では、定期借地の生かし方はちょっと違います。

以下に、マーティンの実体験による定期借地の利用実例をお話ししますね。


まず実家の方。                    

マーティンがまだ長野市内の企業で働いていた頃のお話。。。

実家の家が古くなっていろいろと手を加えなければならなくなってきて、どうせやるなら新しい家にして今より大きくしたいし、でもそれには今の場所では土地が狭いし・・・
ということで、広い土地を探してそこに新しく家を建てることになったのですが、マーティンはどうも土地を持っていてもしかたがない という気がして、土地にお金をかけてなおかつ固定資産税も払い続けるくらいなら、その分いい家にした方がずっとしあわせだと考え、当時少しだけ聞きかじっていた定期借地というもので家を建てることを思い立ったのです。

土地を購入することを前提にしていたときは、なかなか気に入った土地が見つからなかったのに、定期借地を使って家を建てようと探し始めたところ、以前の家の道を挟んだ反対側の地主さんが貸してくださることに。

静かで環境のいいところだったことや、近くなら引っ越しも楽だしご近所づきあいもそれまでと変わらないから、
「前の土地、売ってもらえたらいいのにねぇ。」
なんて以前から話してはいたんですが、土地は定期借地で借りることにしたので、思い切って地主さんに貸してもらえないかと話してみたんです。

「売ってください」というのはなかなか言いづらい部分もあるし、言われた方も先祖代々の土地を軽々に手放すこともできないでしょうけれど、地主さんにとってみても定期借地は
 1. 契約期間終了後に確実に返ってくる
 2. 長期間の安定収入で遊休土地の活用ができる
 3. 固定資産税が軽減される

などのメリットもあって、受け入れやすいという部分もあるんでしょうね。

そんなわけで土地を貸してもらえることになって、さてそれをどう生かすかと考えたとき、
 ○吹き抜けのある広くて開放的なリビング
 ○それに繋がる明るくてゆとりのあるダイニングキッチン
 ○リビングやダイニングから屋外リビングのように使える広いウッドデッキ
 ○芝生を敷き詰めシンボルツリーがそびえる広い庭
 ○家族や友人が集まったときの充分な駐車スペース
 ○家で食べるくらいの野菜を育てられる畑も
      ・
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なんて希望が続々と出てきて、とにかく土地を広く貸していただくことと、土地のコスト低減分を家の充実に充てることにして。。。

結果、約300坪弱の土地を借りて、家は延べ60坪・・・今は両親ふたりだけで暮らしていいるのに、なんとも贅沢な話ですが・・・ゆったりと広々、ゆとりの暮らしを実現することできました。



続いて長野市の家。                    

マーティンがこのお仕事を始めようとした頃のお話。。。

それまで19年間もアパート暮らし続けてきていました。
この間に払い続けた家賃を考えると、ちょっとめまいしますね。。。そこそこの高級車、新車で2、3台買えちゃいますから。。。

住宅の仕事をするにあたっては、アパート暮らしってわけにはいかない!・・・お客様に見ていただけるように自宅を建てよう!と決意したのです。
ただ、実家には建てたばかりの家があるし、新しい家のローンの返済などはそれまでのアパート家賃と同じくらいで抑えたいし、お客様に見てもらうなら立地もいいところがいい。。。

ということで、1も2もなく定期借地を探すことに決定!!

当時のアパートの管理会社である不動産会社に定期借地として借りられる土地はないかって相談に行ったら、なんと今のNPO長野県定期借地借家権推進機構の副理事長さんの会社で、定期借地にすごく詳しくて、たくさんのアドバイスをいただくことができました。

とにかく土地にかける資金はできるだけ抑えるための定期借地ですが、同時にいい立地を探さなきゃいけない・・・この点でも定期借地の利点が生かされます。

いい立地=人気が高く資産価値の高い土地というのは、地主さんがなかなか手放したがりません。
そこで土地を所有したまま有効活用できる定期借地が役立つのです。

同じ土地活用の方法としてアパート経営というのがありますが、定期借地での活用の場合、地主さんはほとんど資金をかけることはありませんし、いったん契約をすればその後も資金をかけることなく長期間安定した収入が見込めるので、ローリスクミドルリターンな土地活用と言えますね。

なので地主さんにとっても、いい立地の場所ほど定期借地で活用しやすい借り主にとっても非常にありがたいお話なのです。

そんなこんなで紹介してもらったのが、現在の場所。。。
2haもある地区で一番大きな公園のすぐ目の前、東に菅平や遠く志賀高原を望むこともできる最高の立地に、しかも72坪というゆとりの広さを貸していただくことができました。

あとは本職の家づくり。
妻とふたりで暮らす家なので、できるだけコンパクトに、しかも自然素材やこだわりの設備などを盛り込んだ濃厚プラン。

・・・で、素晴らしい立地に納得の家を実現して、それまでのアパート家賃より返済+地代を安く抑えるという、究極の目標を達成することができました。





場所の希望、予算総額、大事にしているこだわり、ライフスタイルなどによって、いろんな活用のしかたがあると思いますが、
「土地は買うもの」
という固定概念を捨てて、
「土地を上手に利用する」
ことを考えると、あなたの家づくりもグッと可能性が広がってくるのではないでしょうか。icon12

この秋、長野市南部に9区画ほど定期借地権付きの土地が出てきます。
この土地情報は改めてご案内したいと思います。

アパートの家賃をこれからもただ掛け捨てていくのがもったいないと思う方
家を建てたいけれど、妥協せずにこだわりの家にしたいと思う方
家を建てたあとも、ゆとりの生活を送りたいと思う方
今の資金を、こだわりの家とその後の豊かな暮らしに生かしたいと思う方
   ・
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そんな方は、定期借地を利用した家づくりをぜひ一度ご検討してみてください。

定期借地に関するご相談は、常時無料で行っております。
どうぞお気軽にお問い合わせください。icon01
〈HALE;ハレ〉
  長野県長野市篠ノ井塩崎140-1(388-8014)
  TEL 026-213-4868
  FAX 026-213-4898
  e-mail info@ekoludesign.com


こちらもぜひ、ご一読を。
『土地、利用するか所有するか・・・定期借地の話。(2011/9/11)』
『定借・・・?(2008/9/3)』
『日曜の夜に、定期借地。(2008/10/26)』




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Posted by マーティン. at 2011年09月15日01:01

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